ミツの免許が戻ってきたので、遠くまでドライブに行く事にした。
婚約者Yには具合が悪いから今日は会いに行けないとメールをした。
真っ青なスポーツカーで高速道路を走ってベイブリッジを通り抜けて八景島まで行った。
周りは若いカップル、ジョギングしているおじさん、釣りをする人たちがいた。
私たちはビールを飲みながら海を眺めていた。
少し肌寒かった。
ミツは、私の顔を覗き込み「愛してる」と言った。
可笑しくて笑いが止まらなかった。
ミツは照れたようにふてくさった。
でも本当は、私が一番照れていた。

体が冷たくなってきたので車に戻り、アメリカンバーへと車を走らせた。
着いたアメリカンバーの1階はゲームセンター、2階がアメリカンバー、3階は駐車場だった。
1階のゲームセンターで、ミツがプリクラを撮りたいと言うので、羞恥心を押し殺して撮ることにした。
2階のアメリカンバーでは、ミラーボールの眩しい光が照らされ、大音量のR&Bミュージックが流れ、外国人と日本人とが入り混じって踊っていた。
私とミツは大きな鏡の前の席に座り、2時間の内ほとんどミツの話は聞いていなかった。
人込みやウルサイ場所が苦手な私は、頭をボーっとさせながら人間観察に忙しかった。

飲み足りない私たちは、帰り道にあるダーツバーに寄った。
ダーツは、始めて1年くらい経つ。
結局ダーツは出来なかったものの、まあまあ美味しいカクテルを堪能できた。
その時もう既に酔っていたので、ミツとの会話を思い出せない。
でもそれなりに楽しい会話をしていた。

私は自宅へ帰るつもりだったが、面倒くさくなってミツの家に泊まる事にした。
本当は寂しかっただけなのかもしれない。
ミツの家に着いて、また人格が交差し始めた。
私は疲れていたので、そのまま他の人格のやりたいようにさせた。
一人目はミツを怒っていた。
二人目はミツを誘った。
イッた後、私(主人格)に戻ったが、そのまま気付かれないようにしていた。
ミツは、いつもこの子(二人目)だったらいいのにと言っていた。
私は、ミツが他の女を抱いているような気がして複雑な気分になった。
次の朝、私の首にはミツが付けた愛の証がくっきりと残っていた。
ミツは私を愛したんじゃなく、二人目のあの女を愛したんだと思うと、何もかもが嫌になってきた。

でもドライブに行ったのは確かに私だった。
愛してると言われたのも私だった。

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