27日の夜、仕事仲間の大さんと事務所の物件巡りをした。
打ち合わせは、近所の居酒屋で済ませた。
酒を飲まないという約束だったのに、酔っている私に腹を立てながらミツは迎えに来た。
ミツは正気じゃなく、仕事仲間の大さんに怒鳴った。
私はミツの代わりに大さんに謝り、ミツとその場をバイクで去った。

ミツ宅に着くと、ミツの機嫌は直っていた。
いつもそうだった。
とにかく私が側に居れば、機嫌は良かった。
私はミツをおだてながら発泡酒を何杯も飲んだ。
何人もの人格達とシンクロし始めていた。
記憶がなくなった。

この日、ミツに会う前に剃刀をバッグの中に用意していた。
ミツの目を盗んで、その剃刀で左手首を斬った。
と、同時に私が目を覚ました。
血が止めどもなく溢れていた。
ミツは慌ててタオルで傷口を強く結んだ。
血は止まらない。
すぐにタオルは真っ赤な血で絞れるくらいにビショビショになった。
そして隙間からだらだらと流れ出していた。
私の意識は朦朧としていたが、意外と冷静だった。
リストカット常習者の私は、血の流れ方を見て死ねないとわかったから。
救急車を呼ぶというので、それだけは断った。
まだ夜明け前だったから。
車で病院へ行って、10針程度縫った。
また失敗した。

リストカットで死ねない理由を考えてみた。
答えはすぐにわかった。
人前で斬るからだ。
どうして人前でしか斬らないのかを考えてみた。
血が怖いから。
本当は死ぬ気がないから。
素直に言葉にはできない。
「助けて」という私のサインだから。
傷口よりも心の手当てを求めている。

治療後、なぜか実家に帰って深い眠りについた。
私が目を覚ました時には、娘と父がいた。
父には怒鳴られた。
最初の言葉は…「病院の支払いは済んだのか」だった。
その次は「お前は遊ぶ事しか考えていない」。

どうでもよかった。
娘を連れてすぐに、実家から逃げ出した。
そしてミツに迎えに来てもらった。
3人でファミレスに行ったり、観覧車に乗ったり、買い物をしたり、花火もした。
楽しかった。

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