ミツが仕事の為、早朝自宅を出て行った。
私もすぐにミツ宅を後にした。
元婚約者Y宅へ行くつもりだった。
だけど、今夜は仕事仲間の大さんとの打ち合わせの約束があった為、少し迷っていた。
まず静まり返った実家に帰って、着替えと靴をバッグに詰め、両親に気付かれないうちに実家を出た。
電車に揺られながら散々迷ったあげく、元婚約者Y宅へ行くのはやめておいた。

怖かった。
せっかく別れたのに、彼をまた思い出してしまいそうで。
ミツといる時間は、ミツだけを想っている。
ミツがいない時間は、元婚約者Yを思い出してしまう。
だけど…ミツとだったら、私の一番欲しがっていた『家族』を築ける気がしていた。
娘もミツが大好きだ。

ミツはいつでも「素直になりなさい」と言う。
『素直』ってなんだろう。
私はもう遠い過去に忘れてきてしまった。

ミツは「純粋なだけに考えすぎる」と私の事を悟ったように言う。
『純粋』なんて言葉のかけらさえ、私にはどこにも見当たらない。
私は、大人の汚いモノの塊でできている。

自分を否定する事でしか、罪を償う方法を知らない。

今日もミツに抱かれる。
何度も何度も。
断る理由はない。
愛されている事を、抱かれる事でしか感じる事ができない。
抱かれる事で、愛されている事を実感する。
それでも私は求め続ける。
『それ』が錯覚だと解っているから。

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