恥ずかしい姿

2003年7月18日
元婚約者Yとメールをした。
彼は「嫌いになったわけではない。だけど結婚はもう考えられない。」と言った。
私は「Yに好きな人が現れるまで、側にいさせて。」と返した。
どうしてそんな返事をしたのか、今の私は理解できない。
彼は『私のモノ』であって、人の手に渡るのがただつまらないだけなんじゃないかと思った。

メールを終えて、ミツに会った。
居酒屋で夕飯を食べながら、私の本職についてアドバイスをしてもらっていた。
ミツは仕事の話となると、真剣に一生懸命教えてくれる。
私は口下手な方で世間知らずなので、営業トークが全くできない。
クライアントに負かされてしまう。
ミツのアドバイスを理解してはいるが、身に付くまではカナリの時間がかかりそうだ。
愛情にばかり飢えていて、セックスばかりして、適当に生きてきて、お金を稼ぐ方法は売春しか考えない私にとっては、今回の本職はとても過酷な挑戦だった。
相方(?上司)の大さんは口ばかりで、仕事の一つ取って来れやしなかった。
金を出すしか脳がないただのスケベオヤジにしか見えなくなっていた。

仕事の話を終え、私達は居酒屋を出てコンビニに寄って買い物をしていた。
コンビニでは、老け顔だと思われる三十台後半(?)のオジサンが、足がぶつかったとかなんとか言って喧嘩を売ってきた。
ミツはそれを買ってしまった。
私と、そのオジサンと一緒にいた水商売をしてそうな不細工なオバサンは、二人を止めていたが、二人の因縁の付け合いは止まらず、コンビニの外へとミツは連れ出された。
私は、男同士の意味のない殴り合いが嫌いなので、ミツを止めつつオジサンにはひたすら謝った。
そのオジサンの連れのオバサンが出てくるまでは…。

不細工なそのオバサンは一人興奮していた。
既に私は、そのオバサンがウザかった。
その時、オバサンの腕は私の肩をどついた。
私はその汚らしい腕に触れられた事に一瞬でキレた。
私は、私らしくもない汚い暴言を彼女に向けた。
彼女の胸倉を掴んで顔をメチャクチャになるまでぶん殴ってやろうかと思っていた。
だがその時、汚い暴言を吐く私にミツが少し引いたのがわかった。
そして、喧嘩を売って粋がっていたオジサンでさえも引いた気がした。
私は恥ずかしくなって、ミツの腕を引っ張って「もういい、行こう。」とその場を去った。

正気に戻った私は、車の中でミツに何度も何度も謝った。
恥ずかしくてどうしょうもなかった。
いつも冷静を装っている私が汚い言葉で怒鳴ってしまった。
しかも、いつもなら相手にもしないようなオバサンに。
世間で言われている『今時のキレやすい子供』みたい。
左手の痛みすら忘れていた。
気持ち悪い。
ばかみたい。

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