たとえば、私は彼の寝ている間、彼の携帯電話をこっそり覗く。
新しく私の知らないメモリーが1件(男性の名前)追加されていた。
メール履歴では私の知らない女性とのやり取りが記憶されていた。
『吐き気がしてくる』
などと、自分の事を棚に上げて以前の私はそう思っていたに違いない。

だが、なぜ今回はなんとも思わなかったのだろうか。
感情が薄れているのか。

しかし、彼の携帯をチェックしている。
この行動はまだ彼に好きという感情があるからではないのか。

自分自身の感情が読み取れない。

つい先日(水曜の晩)、久々に会ったTの存在が気になっている。
好きという感情は、悪いが全くない。
『結婚するなら彼が無難』と思っているだけだ。
こういう発想は今までも多々あったが、勢いがないとその彼との関係は進展しない。
結局、今回もTの存在を逃してしまう事になるだろう。

夕方過ぎ、ミツが出張先から帰宅した。
些細な事でミツは怒り始めた。
面倒くさい。
疲れる。
そんな感情ばかりを頭に廻らせながらも、私は彼の愚痴に耳を傾けていた。

ミツが帰宅した事は、別に嬉しくなかった。
どうでもよかった。
セックスもしたくなかった。
だが、いざセックスを始めると、私の性器はすぐに愛液でいっぱいになりイク事になった。。。

―誰かの日記にこう書いてあったのを思い出していた―
女性の好きかそうでないかの感情は、セックスをした時の愛液の量で量れると。

私はまだミツに愛情に似た感情を持っているのかもしれない。
少し安心した。
ミツと付き合いだしてもうすぐ1年を迎える。
私の男性との交際は、毎回と言ってもいい程1年前後で別れてしまう。
今回もそろそろその時期が来たようだと思っていた。
私に原因があるのだろうか。
それとも、人を判るのに約1年かかるのだろうか。

ミツは今、私のすぐ傍で眠っている。
とても愛らしい寝顔で。
そして憎らしくもある。
こんなに近くにいるのに孤独になっている私がいる。
ミツは遠い存在だ。
ミツは私のモノにはなってくれないようだ。
これ以上、深入りするのはやめよう。
私は私だけの楽しみを作り、私だけの世界で生きていこう。
決して抜かりの無い様に。

―この世は寂しい事ばかりなのですか?―
私が純粋な少女の頃であるかのように、いつか素直な心の内をココに刻ませてください。

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