別れ道。

婚約者Yは、「別れよう」と言った。
「俺では、海月の病気は治せない。
海月の病気も含め、全て受け入れると俺は言った。
一緒に治していこうとも言った。
だから俺からやり直したいと言った。
でも、海月の病気を目の当たりにして自信を失くした。
怖くもなった。
この事に関しては、いくら責めてもいい。
だけど、これから先はもう自分を傷付けないでくれ。」とも言った。

私は、「わかった。ばいばい」と言った。

Yと別れた事をミツに話した。
ミツは「やり直そう」と言った。
私は曖昧な返事を返した。

Yがいない事に、急に切なくなった。
ぼんやり煙草を吸いながら、Yとの思い出に浸っていた。
そしたら最後に素直になってみようと思った。
『私はYとの幸せな家庭を夢見てた。
そして甘えていた。
病気に立ち向かう努力をします。
Yの支えにもなりたい。
もう一度最後に、チャンスをくれませんか？
お願いします』と、メールを出した。
返事はこない。
彼に、余裕がない事はわかっている。
返事のメールなど、もらわなくても答えはわかっている。
ただ素直な自分に一瞬でも戻ってみようと思っただけだ。
彼の幸せを祈ろう。
私は別の道を歩もう。