今日の診察。
2005年3月2日今日は気分が落ち着いていたので病院へ行った。
院内での待ち時間は1時間前後。
H先生は、「待たせてごめんね」と言った。
こんなこと初めて言われた。
まずは、先々週の自傷行為・OD・多飲酒と病院で胃洗浄・縫合した事を話した。
そして、今は落ち着いたという事。
それから、最近読んでいる『症例A』という小説の話をして、そこに出てくる境界例の話と自分自身を比較すると、重なる事が多いので、私は境界例ではないのかとも訊いてみた。
すると先生は、「私は基本的に病名をつけないんだ」と言った。
それは、H先生は病名に囚われてその各病気の治療法をするのではなくて、全てを神経症として扱い、根本的な原因をネガティブにとらえる事をポジティブに変える事と、患者が不安時に起こす(一般的に病気だと診断される)対処法(自傷行為など)を違う自己にプラスになる対処法を見い出す事の手助けをすると言っていた。
とても気になった発言は、「アナタは似ている。」
私はなんの事だかわからなかった。
「誰だって不安になる事はあります。そういった時のアナタの対処法はマイナスな事になってしまうのです。例えば自傷行為だとかね。その対処法が病気と診断されるのです。」とH先生が言った。
なるほど。
と、同感しつつ、最初の『アナタは似ている』の意味も理解できた。
私自身も多少ではあるが、それを以前から感じていたのだ。
H先生は、極たまにご自身の生活や価値観や生育を話してくれていたからだ。
言葉で表現するのは難しい。
『何か』共通するモノがあると思っていた。
H先生の発言「海月さんがココ(診察室)にいる時は、私は99%海月さんの事しか考えていない。」
付け加え、「海月さんのご家族とお子さんと。…自分の家族の事も忘れて…」と少し苦笑しながら言った。
「次の患者さんが診察室に来れば、海月さんの事は忘れ、その患者さんの事を99%考えている。」とも言った。
私はその『海月さんの事は忘れ』の言葉に対し、「ハッキリ言わないでくださいよ。」と笑いながら冗談を言ってみせた。
私は「H先生って珍しいです。」と言った。
H先生はなんの事かわからなかったのだろう。
私に目を向けたまま、次の言葉を待った。
「私、いくもの精神病院やら心療内科やら行きましたが、H先生はスゴイです。」
急に、お世辞を言ってるかのように思われたかもしれないと思い、少し言葉が変になった。
恥ずかしくなって言葉を足した。
「H先生はいい人です。他の病院では…なんていうか、感じ悪いっていうか…」
また自分の言葉に子供っぽさと、他の病院への悪口を言っているような気がして、更に恥ずかしくなって苦笑いをした。
H先生は「それは、相性だと思いますよ。」と丁寧な口調で笑顔で言った。
なんだかホッとした。
私は去年、母が言っていた事を思い出した。
「H先生、全く関係のないお話なんですが、去年母が薬を取りに来た時に『H先生、殴られたような傷が顔にあった。患者さんに殴られたのかしら。大変ね。』と話していたんです。本当に患者さんに殴られたんですか?」と訊いた。
H先生は薄く笑みを浮かべながら、「たぶん、たまに顔に出る湿疹のせいかもしれませんね。私は一度も患者さんに殴られた事はありませんよ。そういえば研修医の時に、医者を嫌ってどの医者に対しても暴力を振るう患者さんがいて、その頃同僚だった研修医は胸座を捕まれて絡まれてたけど、その患者さん、私には何も一度もそういう事がありませんでした。なぜかというと、私はほら猫背でしょ。それでいつも下を向いて歩いていたんです。それで、その患者さん私には何か同情していたみたいです。」と話してくれた。
それには、私は声を出して笑った。
その後も会話は途切れなく、冗談を交えながら30分は話していたんだろうか、受付の人から内線電話で『時間』の催促をされ、診察室を後にした。
H先生は、私にとって尊敬する方でもあり、私の『数少ない好きな人間』の中の一人だ。
転移ではないだろう。
そう信じたい。
院内での待ち時間は1時間前後。
H先生は、「待たせてごめんね」と言った。
こんなこと初めて言われた。
まずは、先々週の自傷行為・OD・多飲酒と病院で胃洗浄・縫合した事を話した。
そして、今は落ち着いたという事。
それから、最近読んでいる『症例A』という小説の話をして、そこに出てくる境界例の話と自分自身を比較すると、重なる事が多いので、私は境界例ではないのかとも訊いてみた。
すると先生は、「私は基本的に病名をつけないんだ」と言った。
それは、H先生は病名に囚われてその各病気の治療法をするのではなくて、全てを神経症として扱い、根本的な原因をネガティブにとらえる事をポジティブに変える事と、患者が不安時に起こす(一般的に病気だと診断される)対処法(自傷行為など)を違う自己にプラスになる対処法を見い出す事の手助けをすると言っていた。
とても気になった発言は、「アナタは似ている。」
私はなんの事だかわからなかった。
「誰だって不安になる事はあります。そういった時のアナタの対処法はマイナスな事になってしまうのです。例えば自傷行為だとかね。その対処法が病気と診断されるのです。」とH先生が言った。
なるほど。
と、同感しつつ、最初の『アナタは似ている』の意味も理解できた。
私自身も多少ではあるが、それを以前から感じていたのだ。
H先生は、極たまにご自身の生活や価値観や生育を話してくれていたからだ。
言葉で表現するのは難しい。
『何か』共通するモノがあると思っていた。
H先生の発言「海月さんがココ(診察室)にいる時は、私は99%海月さんの事しか考えていない。」
付け加え、「海月さんのご家族とお子さんと。…自分の家族の事も忘れて…」と少し苦笑しながら言った。
「次の患者さんが診察室に来れば、海月さんの事は忘れ、その患者さんの事を99%考えている。」とも言った。
私はその『海月さんの事は忘れ』の言葉に対し、「ハッキリ言わないでくださいよ。」と笑いながら冗談を言ってみせた。
私は「H先生って珍しいです。」と言った。
H先生はなんの事かわからなかったのだろう。
私に目を向けたまま、次の言葉を待った。
「私、いくもの精神病院やら心療内科やら行きましたが、H先生はスゴイです。」
急に、お世辞を言ってるかのように思われたかもしれないと思い、少し言葉が変になった。
恥ずかしくなって言葉を足した。
「H先生はいい人です。他の病院では…なんていうか、感じ悪いっていうか…」
また自分の言葉に子供っぽさと、他の病院への悪口を言っているような気がして、更に恥ずかしくなって苦笑いをした。
H先生は「それは、相性だと思いますよ。」と丁寧な口調で笑顔で言った。
なんだかホッとした。
私は去年、母が言っていた事を思い出した。
「H先生、全く関係のないお話なんですが、去年母が薬を取りに来た時に『H先生、殴られたような傷が顔にあった。患者さんに殴られたのかしら。大変ね。』と話していたんです。本当に患者さんに殴られたんですか?」と訊いた。
H先生は薄く笑みを浮かべながら、「たぶん、たまに顔に出る湿疹のせいかもしれませんね。私は一度も患者さんに殴られた事はありませんよ。そういえば研修医の時に、医者を嫌ってどの医者に対しても暴力を振るう患者さんがいて、その頃同僚だった研修医は胸座を捕まれて絡まれてたけど、その患者さん、私には何も一度もそういう事がありませんでした。なぜかというと、私はほら猫背でしょ。それでいつも下を向いて歩いていたんです。それで、その患者さん私には何か同情していたみたいです。」と話してくれた。
それには、私は声を出して笑った。
その後も会話は途切れなく、冗談を交えながら30分は話していたんだろうか、受付の人から内線電話で『時間』の催促をされ、診察室を後にした。
H先生は、私にとって尊敬する方でもあり、私の『数少ない好きな人間』の中の一人だ。
転移ではないだろう。
そう信じたい。
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