彼がナカダシした。
私は泣いた。嬉涙だった。
2年と7ヶ月付き合って初めてのことだった。
入籍しないのに同棲するのは抵抗があるという気持ちを初めて口にした晩だった。
私は仕事にも人間関係にも疲れ、どうしようもなかった。
会社に行くことに嫌気がさし、ここ何週間も毎日のように泣き続けていた。
休日も泣きやむことはなかった。
精神状態はどうにかなりそうだった。
ううん、どうにかなっていたかもしれない。
暴飲暴食、時には嘔吐もあり、偏頭痛と頭皮のデコボコの痒み、肩凝りに肌荒れ、衝動買い、浪費癖、被害妄想、自己の生命の価値観の有無、居場所のない空虚感、胃の痛み、血便、生理不順、毎晩の悪夢、微熱…
正しいことと悪いことの区別がつかなかったり、自分と他人の区別がつかなかったり、自己では何も決め兼ねることも、存在価値についてまでわからなくて、いつも最後まで遣り遂げられない自分に自暴自棄になったり…
私の中のすべての歯車が噛み合わなくなっていった。
相変わらず私は人に本音を見せようとはしないが、涙だけは止まらなかった。
そんな状態のすぐ側にはいつも彼がいる。
精神不安定な私を悟る。
彼は毎晩、諭すように私を慰める。
それも空しく効果が得られることはなかった。
一瞬だけの精神安定剤にしか過ぎない。
朝になれば、彼が一足先に家を出る。
私はあーだこーだ会社を休む理由の正当化を考えつつも、いつの間にか会社に着いている。
会社に着いて仕事を始めてしまえばなんてことはない。
時間が長い一日も多量の仕事に追われ、あっという間に過ぎていった。
会社からの帰宅途中、また鬱の招く妄想は始まっていた。
『明日だって行きたくない』
会社で何があったわけではない。
疲れた…ただそれだけの筈なのに、頭が完全拒否する。
家に着いて彼と夕食の時間、私の暴飲暴食に彼が驚く。
最初の2、3日は彼に止められた。
でも私は止められはしなかった。
たっぷりの水分と2人前程の量を摂った後、アンパン、チョコレートパン、レーズンパン、1リットルの入れ物に入った飲み物は一瞬でなくなった。
体育会系の大男が一食で摂る量よりも多いかもしれない。
そんな日が何週間も続いた。
食後に、彼は部屋でゲームをし始める。
私は彼の隣に寝転びながら今日一日あった出来事を極力話そうと努力をしていた。
彼が聞いてなくてもいい。
話すことによって、ストレスが解消されればいいと思っていた。
だが、もうこの頃には話す気力もない。
話そうとする努力だけで精一杯で涙が先に溢れていた。
それでも、最初の頃は泣くことでストレスが解消されればいいと思っていたが、泣く回数は日々増えていき彼がゲームをできる状況でもなくなっていた。
そんな彼に『このままでは嫌われてしまう』という思いと感謝の思いがあり、セックスをすることを決意したが、なにをどうしていいのかわからなくなっていた。
愛撫の仕方さえ忘れてしまったのだ。
私は本当に存在価値のない人間だと思った。
それなのに、彼に対しての愚痴までもこぼしてしまった。
『彼が入籍を拒む理由』
今となっては理解できる気がする。
そのことについての会話が、昨日は否定的にはずんだ。
私は会話の途中で疲れていた。
どうでもよくなっていた。
早く深い眠りにつきたいと思っていた時だった。
彼が私に覆い被さった。
私は眠いのを我慢し、彼の誘いに乗った。
事の最中の内容はよく覚えていない。
なぜなら私はセックスの最中、いつも『知らない人』になってしまうからだ。
自分ではないような気がしてしまう。
終わりに近付き、彼の言葉にハッとした。
『中で出すよ』
私はすぐにその言葉の意味を理解することができなかった。
そしてその直後、私の膣内にある彼のモノがビクビクしているのが分かった。
それを感じている時間は、すごく長く思えた。
彼が言った。
『本気で考えてるんだよ』
うん。。。言葉にならなかくて涙が出た。
今まで何度もそういうことをできる機会はあったが、彼は一度もしなかった。
だからこそ私は嬉しかった。
私は彼の言葉を信じることができた。
その後、私は茶化した。
『ズルイ。生理前だから安全日なんでしょう』
…私の悪い癖だ。
嬉しくて照れくさい時はいつも茶化してしまう。
本当はすごく嬉しかった。
一人じゃないんだと思えた。
でも変わらなかった。
変われなかったんだ。
今朝の私は、笑顔で彼に『いってらっしゃい』を言えた。
気持ちとは裏腹だ。
会社はズル休みをした。
ズルなのかどうかはわからない。
『お腹が痛い』『行きたくない』『精神状態がキツイ』
なんて理由、ズル休みでしかないのだろう。
子供じゃあるまいし。
上司にハッキリと『精神的な持病があります』と言ったところで、どうなるのか。
言える筈がない。
クビになるか、それ以前に迷惑だろう。
これからどうなるんだろう。
どうしたらいいのかわからない。
相談する相手もいなければ、相談したい相手には鬱を連鎖させたくない為に相談したくない。
今日何をすれば、明日会社へ行くになれるだろう。
それともいっそもう辞めてしまおうか。
辞めたら、彼の家にはまた居辛くなる。
まだ転居資金も貯められていないし、その時期も来ていない。
やっぱり、私には居場所がない。
全て嫌だ。
何が嫌なのかわからないし、考えたくもない。
とにかく全部イヤ。
何もかも意味がない。
私は何もできない。
治ってなんかなかったんだ。
これは一生付き合っていかなけらばならない問題なんだ。
病気じゃない。
性格でしょ。
自分が自分じゃない。
また人が現れる。
自分じゃない人。
自分でいられるか不安で怖くて。
どれが自分なのかも判らないし、これは全部夢なのかもしれない。
でもそういう考え方は乖離だと呼ばれる。
だったら、どうする。
私は泣いた。嬉涙だった。
2年と7ヶ月付き合って初めてのことだった。
入籍しないのに同棲するのは抵抗があるという気持ちを初めて口にした晩だった。
私は仕事にも人間関係にも疲れ、どうしようもなかった。
会社に行くことに嫌気がさし、ここ何週間も毎日のように泣き続けていた。
休日も泣きやむことはなかった。
精神状態はどうにかなりそうだった。
ううん、どうにかなっていたかもしれない。
暴飲暴食、時には嘔吐もあり、偏頭痛と頭皮のデコボコの痒み、肩凝りに肌荒れ、衝動買い、浪費癖、被害妄想、自己の生命の価値観の有無、居場所のない空虚感、胃の痛み、血便、生理不順、毎晩の悪夢、微熱…
正しいことと悪いことの区別がつかなかったり、自分と他人の区別がつかなかったり、自己では何も決め兼ねることも、存在価値についてまでわからなくて、いつも最後まで遣り遂げられない自分に自暴自棄になったり…
私の中のすべての歯車が噛み合わなくなっていった。
相変わらず私は人に本音を見せようとはしないが、涙だけは止まらなかった。
そんな状態のすぐ側にはいつも彼がいる。
精神不安定な私を悟る。
彼は毎晩、諭すように私を慰める。
それも空しく効果が得られることはなかった。
一瞬だけの精神安定剤にしか過ぎない。
朝になれば、彼が一足先に家を出る。
私はあーだこーだ会社を休む理由の正当化を考えつつも、いつの間にか会社に着いている。
会社に着いて仕事を始めてしまえばなんてことはない。
時間が長い一日も多量の仕事に追われ、あっという間に過ぎていった。
会社からの帰宅途中、また鬱の招く妄想は始まっていた。
『明日だって行きたくない』
会社で何があったわけではない。
疲れた…ただそれだけの筈なのに、頭が完全拒否する。
家に着いて彼と夕食の時間、私の暴飲暴食に彼が驚く。
最初の2、3日は彼に止められた。
でも私は止められはしなかった。
たっぷりの水分と2人前程の量を摂った後、アンパン、チョコレートパン、レーズンパン、1リットルの入れ物に入った飲み物は一瞬でなくなった。
体育会系の大男が一食で摂る量よりも多いかもしれない。
そんな日が何週間も続いた。
食後に、彼は部屋でゲームをし始める。
私は彼の隣に寝転びながら今日一日あった出来事を極力話そうと努力をしていた。
彼が聞いてなくてもいい。
話すことによって、ストレスが解消されればいいと思っていた。
だが、もうこの頃には話す気力もない。
話そうとする努力だけで精一杯で涙が先に溢れていた。
それでも、最初の頃は泣くことでストレスが解消されればいいと思っていたが、泣く回数は日々増えていき彼がゲームをできる状況でもなくなっていた。
そんな彼に『このままでは嫌われてしまう』という思いと感謝の思いがあり、セックスをすることを決意したが、なにをどうしていいのかわからなくなっていた。
愛撫の仕方さえ忘れてしまったのだ。
私は本当に存在価値のない人間だと思った。
それなのに、彼に対しての愚痴までもこぼしてしまった。
『彼が入籍を拒む理由』
今となっては理解できる気がする。
そのことについての会話が、昨日は否定的にはずんだ。
私は会話の途中で疲れていた。
どうでもよくなっていた。
早く深い眠りにつきたいと思っていた時だった。
彼が私に覆い被さった。
私は眠いのを我慢し、彼の誘いに乗った。
事の最中の内容はよく覚えていない。
なぜなら私はセックスの最中、いつも『知らない人』になってしまうからだ。
自分ではないような気がしてしまう。
終わりに近付き、彼の言葉にハッとした。
『中で出すよ』
私はすぐにその言葉の意味を理解することができなかった。
そしてその直後、私の膣内にある彼のモノがビクビクしているのが分かった。
それを感じている時間は、すごく長く思えた。
彼が言った。
『本気で考えてるんだよ』
うん。。。言葉にならなかくて涙が出た。
今まで何度もそういうことをできる機会はあったが、彼は一度もしなかった。
だからこそ私は嬉しかった。
私は彼の言葉を信じることができた。
その後、私は茶化した。
『ズルイ。生理前だから安全日なんでしょう』
…私の悪い癖だ。
嬉しくて照れくさい時はいつも茶化してしまう。
本当はすごく嬉しかった。
一人じゃないんだと思えた。
でも変わらなかった。
変われなかったんだ。
今朝の私は、笑顔で彼に『いってらっしゃい』を言えた。
気持ちとは裏腹だ。
会社はズル休みをした。
ズルなのかどうかはわからない。
『お腹が痛い』『行きたくない』『精神状態がキツイ』
なんて理由、ズル休みでしかないのだろう。
子供じゃあるまいし。
上司にハッキリと『精神的な持病があります』と言ったところで、どうなるのか。
言える筈がない。
クビになるか、それ以前に迷惑だろう。
これからどうなるんだろう。
どうしたらいいのかわからない。
相談する相手もいなければ、相談したい相手には鬱を連鎖させたくない為に相談したくない。
今日何をすれば、明日会社へ行くになれるだろう。
それともいっそもう辞めてしまおうか。
辞めたら、彼の家にはまた居辛くなる。
まだ転居資金も貯められていないし、その時期も来ていない。
やっぱり、私には居場所がない。
全て嫌だ。
何が嫌なのかわからないし、考えたくもない。
とにかく全部イヤ。
何もかも意味がない。
私は何もできない。
治ってなんかなかったんだ。
これは一生付き合っていかなけらばならない問題なんだ。
病気じゃない。
性格でしょ。
自分が自分じゃない。
また人が現れる。
自分じゃない人。
自分でいられるか不安で怖くて。
どれが自分なのかも判らないし、これは全部夢なのかもしれない。
でもそういう考え方は乖離だと呼ばれる。
だったら、どうする。
コメント
病気でしょ?
こんなコメントをいくらかいても
慰めにもならないのかもしれないけれど
でも、不安定な精神状態で
自分の性格と、病気の区別がつかなくなるのは
僕も同じです。
目に見えないけれど、
骨折や、怪我と同じだと
僕は、信じ込もうとしているし
まだ、信じ切れていないけど
そう騙されてみたいと、思う。
病気だよ。
性格じゃ、ないよ。
ずる休みじゃないし
逃げてるわけじゃないし
弱いわけじゃなくて
病気なんだから
できないことは、当然あるわけでしょ。
歩けなかったり、
話せなかったり
笑えなかったり
目に見えなくても
病気なんだから。